
今日はマロ姫の話。
マロは、マンションの入り口や、エレベーターで一緒に乗り合わせた住人たちからは、「まあ、かわいいワンちゃんね〜」と言われ、評判が上々であることが多い。
マロの方も、褒められてうれしいのか、しっぽをふりふりブリっ子になる。
ところが、「かわいい」などとはきっと口が裂けても言わないだろう家族がいる。
うちの二軒となりに住むご家族である。
ご夫婦と娘さんの三人家族だが、うちの姫は、そのご家族の誰に対しても姿を見るやいなや、なぜか敵意をむき出しにして狂ったように吠えまくる。
別にその家族の皆さんが犬嫌いであるとか、ちょっと普通と変わっているとか、マロに何かをしたということはいっさいない。
いたって穏やかでにこやかで普通の善良な人々だ。
ある時まで、マロはたぶん自分の住む階全体がテリトリーだと思って、別の家族が住むことが許せないのでは、と思っていた。
ところが、お隣さんと廊下でお会いしてもまったく吠えないどころか、しっぽまで振って、猫かぶっている。
これには口もあんぐりだった。
一方、エレベーターの扉が開いて、例のご家族の誰かと鉢合わせでもしようものならもう最悪である。
エレベーターの内外で、大の人間たちがこの小さなモンスターのせいで完全に凍りつくのだ。
マロを含め、そこに居合わせる全員が息をのむ瞬間である。
そのご家族には、小学生の女の子がいるのだが、その子にいたっては、マロの顔を見ただけで血相を変え、まるで化け物に追いかけられたかごとく、死にものぐるいになっておうちの中に駆け込む。
なぜ、そのご家族に対してだけマロが猛獣に変身するのかは未だにわからない。。
激しく吠えるだけならまだしも、私の腕の中で、相手に向かっていこうと必死にもがくものだからこっちもたまったもんじゃない。
ホント、頼むよマロ。
何がむかつくのか知らないけど、ご近所に対して肩身が狭い思いをさせないでよね。



