「いぬばば」とマロ(シーズー)のたわいない話
 重たい空気
2007年02月22日 (木) | 編集 |
rakuda


<ん? だれ?、アタシの顔、ラクダに似てるって言ってんの>


きのうは体験入居2日め。

父は朝早くから母の施設へ行って現場監督をしていたようだ。
最初が肝心とか言って、目を光らせていたにしがいない。
12時を少しまわったところでわたしが到着すると、食堂で食べているはずの母が自室にいた。
どうしたのか父に尋ねると、食堂で全介助で食事をさせてもらう予定だったが、居合わせた他の入居者のひとりが突然大きな声を張り上げ始めたという。
それがただならぬ金切り声でサイレンのように延々と続いたものだから、父も母もたまらなくなって部屋で食事に変更してもらったそうなのだ。
ところが、待てど暮らせど食事介助のスタッフが現れず、ようやく現れたかと思ったら忙しくてすぐにその場を離れてしまった。
ちょうどわたしがタイミング良く来たので、到着するなり母の食事の介助を行うことになった。

認知症の方も入居していらっしゃるのはもちろん承知していたが、食堂ではじめての食事の時に、近くで大声でサイレンのように叫ばれたらやはりたまったもんじゃない。
しかも、入居前の説明時には、奇声を発する人は同じ棟にはいないということだったので、なおさら父も母も仰天してしまったようだ。

その件に加え、昨日時間をかけて打ち合わせたことが今日はまったく徹底されていなかったのも父の機嫌をそこねてしまったよう。
昨日と今日でスタッフの顔ぶれが変わるのは仕方ないが、主任に伝えた細かい注意点などは、やはりきちんと徹底して引き継ぎをしておいてほしい。

責任者である主任も介護長もそろってこの日は研修とやらで不在だったので、父は怒りの持って行き場もなく、いらいらのしどうしだった。
そして、不機嫌の嵐は吹き止むこともなく、一日中続いた。
「最悪の場合、入居を取りやめるしかないな..」そうまで言わせるほど父を怒らせてしまった。


で一夜明けて、今日は体験入居3日め。
わたしが朝9時頃施設に到着すると、昨日はいなかった介護長さんがすぐに飛んできて平身低頭で昨日の不手際を謝り、遅れてきた父に対しても同じように謝って食事の場所の問題等について対策をすぐに検討してくださることになった。
父は温和な反面、気に入らないことがあるとずばっと歯に衣着せぬところがある。
でも、話せば分かるところも十分にあるので、今日の介護長の態度に誠実さを感じたのか、昨日よりは少し怒りがおさまったようだ。

母はどうかというと、母なりに必死に環境に適応しようとする姿が見てとれ、かえって切なくて目頭が熱くなった。
今日は他の入居者たちと一緒に食堂で昼食を食べさせてもらっているところにわたしも同席させてもらった。
私語が禁止されているわけではないのに、食堂に居合わせた高齢者たちの間では、楽しい語らいはなかった。
聞こえてくるのは、テレビの音と配膳にともなうカチャカチャ音、ヘルパーたちの声、そして認知症の方たちの奇声やヘルパーたちに浴びせられる罵声。
予想していたこととはいえ、やはり胸がつぶれる思いでわたしはその場にいた。


部屋自体は決して暗いわけではないし、スタッフらもみな感じがよくて明るい。
なのにこの重たい空気はなんなのだろう。

2、3回深呼吸をせずにいられなかった。。。